東京大学文学部宗教学・宗教史学科を卒業後、農学部林学科に学士入学、卒業し、大学院農学系研究科林学専攻の修士、博士課程を修了した。「クロマツのクロロフィルa/b結合タンパク質遺伝子の構造と発現調節」で博士(農学)の学位を取得した。1990年に東京大学農学部林学科造林学研究室の助手となり、1995年から新設の東京大学アジア生物資源環境研究センターの助教授として異動し、2004年から現職の教授になった。
私の研究室では、実験室での研究手法とフィールドでの研究手法を組み合わせ、樹木の環境ストレス耐性機構に関する研究と熱帯荒廃地の環境造林に関する研究を同時に行っている。
野生植物である樹木は、実験植物や作物にはない機能を持っている可能性があり、樹木の環境ストレス耐性機構の生理学的研究の意義は大きい。熱帯荒廃地の環境造林を想定し、環境ストレスとして養分欠乏、金属過剰、高温、乾燥、強光等を取り上げ、これらのストレスへの樹木の応答や耐性機構についての研究を継続して進めていくつもりである。
タイ・ナラティワート県の熱帯低湿地域においてフィールド・ワークを行っている。造林技術の最も重要な点は、その場所の環境を把握し、その環境に適合する樹木を植えることであるが、酸性硫酸塩土壌などの立地環境の劣化が著しい場合は、環境ストレス応答、耐性機構の解明と環境改善法の開発が必要である。土壌の劣化が生じている熱帯アジアのフィールドにおいて、低エネルギー投入の方法で森林を造る環境造林の技術開発研究を継続して進めていくつもりである。
研究室ホームページ
http://forest.anesc.u-tokyo.ac.jp/