教授 福代 康夫(ふくよ やすお)
 1948年東京都生まれ。東京大学農学部水産学科卒業後、大学院農学系研究科水産学専門課程入学。博士課程修了前の1975年に中退し、岩手県の三陸沿岸にある北里大学水産学部に助手となる。北里大学水産学部では、北海道・東北地方で当時大きな問題となった養殖魚貝類の毒化問題を対象として、特に原因となる有毒渦鞭毛藻類の分類と生態を研究。1982年に「日本沿岸におけるProtogonyaulaxの分類と生態に関する研究」により農学博士の学位を授与される。1983年に東京大学農学部に戻り、1990年に助教授に昇任。1995年アジア生物資源環境研究センターに配置換となり、2003年に教授に昇任。

 魚貝類を毒化させ、食中毒を引き起こす有毒微細単細胞藻類と、赤潮を形成して魚貝類を殺す有害微細藻類の分類、生活史と生態を研究している。また、これらの有毒有害生物が最近は世界各地で発生し、さまざまな被害を引き起こしているので、問題の大きな東南アジアなどの調査研究機関と共同で、発生機構や広域化機構について調査研究をするとともに、被害防除のための監視体制構築の技術的支援と、技術者育成のための国際技術研修会を開催している。

 これらの基礎調査研究の成果に基づき、ユネスコ傘下のIOC(政府間海洋学委員会)が主催する国際技術研修会に講師として参加し指導するとともに、その東南アジア地域分科会であるWESTPAC(西太平洋共同調査機構)ではHAB(有害微細藻類研究計画)の代表者として共同調査研究を推進している。また、UNEP(国連環境計画)のNOWPAP(北西太平洋地域海行動計画)で実施されている日本海沿岸域における有害微細藻類協同監視事業にも日本代表として実行委員会に参加している。さらに、有害藻類の広域化が大型船舶のバラスト水と関係が深い可能性が大きいことから、IMO(国際海事機関)のMEPC(海洋環境保護委員会)に日本代表として「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」とその関連各種実施指針の作成にかかわっている。

ホームページ:Atlas of Dinoflagellates
http://dinos.anesc.u-tokyo.ac.jp/